1250E周波数応答アナライザー(FRA)は、ゲイン及び位相の正確な測定を行います。試験対象物は正弦波により刺激され、システム内の様々な箇所での応答が解析できます。応答信号と刺激信号の相関性を評価し、刺激信号を基準としたゲインと位相を決定します。この2つの測定信号の比は、システムの伝達関数を推定するのに使用されます。
このプロセスにより高調波信号は除去され、また、積分時間を増加することでノイズや干渉信号も除去され、ノイズに埋没する信号も正確に測定できます。
1250Eの有する300Vの電圧範囲は、ハイブリッド車や住宅用電源装置で使用される、燃料電池スタックや高電圧電池の測定に特に役立ちます。主要な製品特長は以下の通りです。
- 電源試験に適した 10 mV ~ 10 VのAC振幅範囲
- ATS(自動試験システム)、動力装置振動試験に適した30 mV ~ 300 Vの解析電圧範囲
- ノイズ除去機能
- 信号発生器やキャリア信号を、周波数や位相を外部信号にロックさせることができるシンクロナイザオプション
- 非線形システム解析(調和解析)機能
- フロントパネル又はPCソフトウェア制御
- ACキャリアシステムとインターフェース接続する変調器/復調器オプション
電気化学
¦1¦インピーダンスの測定は、電気化学や生物学の現象、また、材料特性の研究に重要なツールとなっています。
1287Aなどのポテンションスタットと共に使用することで、1250Eは以下のような広範囲のアプリケーションに活用できます。
- 腐食や防食の研究
- 有機・無機被膜やフィルムの解析
- 酸素センサ/燃料電池向け固体電解質の研究
- 新型陽極/陰極材料及び電解質の開発
- 植物/土壌特性に対する生物学的解析の研究
材料試験
1296A誘電体インターフェースや温度試験装置と共に使用することで、1250Eは以下のような広範囲の材料の試験に活用することができます。
- スーパーキャパシタ/電池/燃料電池材料
- 半導体、有機結晶、セラミックなどの電荷輸送
- 化学反応、重合、硬化プロセスの解析
- 新型ガス、液体センサ
- 強誘電/圧電物質、半導体材料の特性評価
制御システム
FRAの標準的な使用法は、水圧・空気圧などの信号変換器への信号を生成することです。その結果、被試験システムには何らかの挙動が発生します。"加速度計や変位変換器などのセンサにより、被試験システムからの出力信号がFRAにフィードバックされ、システムの特性評価が可能になります。"典型的な使用法には以下があります。
- 自動試験システム
- 電源試験
- 航空機器具/システム制御
- 翼構造の応力の研究など空力試験
- 自動車用ショックアブソーバー
- 兵器誘導システム
- ロケット推力偏向技術
シンクロナイザ
シンクロナイザオプションにより、信号発生器を回転/往復型のコンポーネントにロックし、測定をこれに関連付けることができます。アプリケーションとしては例えばタービン解析があり、高調波を使用してブレードのクラック検出を行うことができます。
変調器/復調器
このオプションカードにより、ユーザは外部変調器信号を、キャリアとして機能する1250E信号発生器の出力信号に重ね合わせることができます。この変調信号は、分析器への入力より復調することができます。アプリケーションには、遠隔通信や自動試験システムなどがあります。